「やだ…、どうしよう」

「5時間目はふけちゃいなよ。俺も付き合うからさ」

「どうして、片山君まで?」

「こんな紬ちゃんを、独りになんか出来ないっしょ?」

「迷惑かけちゃって、ごめんなさい」

「いいって。気が済むまで泣きなよ、な?」

「うん…」


私はハンカチを目に当て、膝を抱えて泣いた。

片山君は何も言わず、ずっと隣にいてくれた。


しばらく泣いて、漸く涙が止まった頃、私の肩にコツンと片山君の頭が当たった。

「な、何ですか?」

「………」

片山君から返事がないので、そっと顔を覗き込むと、片山君は目を閉じて、スースーと規則正しい寝息を立てていた。

付き合ってくれた事へのお礼に、私はそのまま肩を貸してあげる事にした。