「え？」

「紬ってね、前から琢磨の事が苦手なの」

「苦手…？」

「はっきり言うと、大嫌いなんだって」

それは前に圭介からも聞いていた事だけど、紬の親友から聞かされると、ぐっと重みが増す気がする。

でも…それは過去の事じゃないのか？
今はそれほど嫌われてはいないと、俺は思ってる。

ところが、明日香は俺の心を読んだかのように話を続けた。

「あたしが琢磨の話をすると、すごく嫌そうな顔をするの。

あたしを紹介した時も、本当は紬は嫌がったんだけど、あたしが無理にお願いしたの。あの子は友達思いだから無理してくれたけど、見てて可哀相だった。

だって、琢磨の事、見るのも嫌そうだったもん」