「紬ちゃん？」

「はい」

「紬ちゃんが琢磨のタイプと違う、って言ったわよね？ それはどういう事？」

「あ、はい。桂木君の元カノさん達の顔を思い浮かべてみたんです。私が知る限りの１０人ぐらいですけど。そうしたら、大人っぽくて綺麗な子か、女の子っぽい可愛い子のどちらかで、私とは全然タイプが違うので…」

「ああ、そういう事？ でも、その子達とは長続きしなかったわけだし、その子達が本当に琢磨のタイプなのかは怪しいと思うわ。それと、紬ちゃんがタイプじゃない、って事はないと思うわよ」

え？ どういう事？

「私と琢磨は小さい頃から好みが全く一緒なの」

「そうそう。だからしょっちゅう物を取り合って、喧嘩ばかりしてたわよね、あなた達は…」

お母さんが呆れたような顔で言った。