「それはどういう意味なの、雨宮さん?」

「え? だって、学校で一番モテる桂木君がモテないって、どういう事かな、って…」

「「えーっ!」」

今度は亜希子さんとお母さんが同時に大声を上げた。

「それ、本当なの?」

「はい」

「じゃあ、彼女もいたりするわけ?」

「今はいないみたいですけど、どうせすぐに出来ると思います」

「それって、どういう事?」

「それはその…詳しい事は分からないんですけど、あまり長続きしないみたいで、彼女さんはちょくちょく替わるんです」

「まあっ! 何回ぐらい替わったのかしら?」

「私が知る限りは10回くらいかと…。実際はもっと多いと思います」

「あらま…」

「呆れた。とんだ女たらしじゃないの」

「何て事かしら…。まじめだと思ってた息子が、実は犯罪者だと知った時の親の心境だわ…」