柾木が
「狼の君が、知らないのも無理ないですよ。我々の始祖の九尾はすでに大妖怪ほどの力がないのですよ。」

新羅は無言で柾木を見る。柾木が
「そして、我々の覚醒は、尻尾の数で強さが決まります。最高が九本です。ちなみに、歴代の当主でも八本が最高ですよ。」

とニヤニヤと笑う。仁が
「新羅、なんかヤバそうだぞ。」
新羅が
「銀はどうした??」
「……無理。」
柾木が
「二号、出てきなさい。」
柾木の前から再び三号のような香代の姿をした少女が現れる。二号と呼ばれる少女は、右目に眼帯をしていた。
二号は小さい声で
「覚醒。」
二号の尻尾の数は
「チッ、九本か。」
と仁が呟く。

柾木が
「思っていたより冷静ですね??」

仁が
「逃げるぞ。」
といきなり言うと全力で逃げ始めた。新羅がそれを追いながら
「すまない。」

「いいから全力で逃げろ。」

二号がそれを追うとすると、
「いい、二号。」

二号が不思議そうな目で柾木に向けると

「私の悪魔があの霊圧に当てられて、」
柾木の目がどす黒くなり、
「殺意が止まりません。」

と柾木が消えていった。



かなり離れた場所で仁が