「準君、一緒に帰ろうッ!」

真っ赤に顔を赤らめ、僕の手を握る。

   七瀬 準平 中学3年生。

人と手をつなぐのは初めてだ。

僕は自分の親を知らない。 なぜなら、僕は捨てられた子供なんだ。

今は、1人で暮らしている。

彼女の名前は 長谷川 忍。

校内で1番可愛いといわれている子だ。


「だ・・・・だめかな・・・?」

その言葉と共に、握っている手をギュッとする。

「別にいいよ。」

下校してるやつらがこちらを見て、ひそひそ言い出す。

中3になり部活もなくなり暇になる。

それにもう12月だ。

「うっ~~~!寒いねー!」

忍は、耳あてを耳につけ一息つく。

僕はマフラーを外し、忍にやさしくまいてやる。

忍はにっこり笑い、「ありがとう。やさしいね」と呟いた。


彼女の笑顔は可愛い。

なんとなく、ほっぺをぷにっとする。

「何してんの~?」

冷たい頬が火照っている。

明るい街歩道を歩いて、ゲーセンに入る。

「準君、プリクラ撮ろうよ!」