『杏奈…』


『ねぇ、光輝。ずっとあたしに嘘ついてたの?あれからもずっとルイが来てたのに…ずっとあたしに黙って…平気な顔してたの?全部知ってるんだから』





カマをかけた。


真実はどうなのかは分からなかったけど。



あれからもずっとルイがここに来ていたのかを知りたくて…

あたしは光輝にそう聞いたんだ。





『ごめん…隠すつもりはなかったんだ。でも…とりあえず言いにくくて…』


『とりあえずって何?隠すつもりはない?ずっと隠してたんでしょ?あたしだけが何も知らなくて…ずっと…。それに…何でルイの携帯の待ち受けが光輝の写メなの?』


『待ち受け?あ……そういや写メ撮られたような気もするけど…でも俺知らねーし!』




あたし達がそうやって言い争っている間、近くの席の二人組の女の子や一人で来ている30代ぐらいのお姉さんは、ジーっとそんなあたし達を見てきていた。



こんな時でも周りを気にしてしまう自分が…なんか情けない。



怒れない自分が…すごく悲しかった。




とにかくルイと話がしたい。

でも今は…男のお客さんがいる。



どうにもならない気持ちで…

心の中が爆発寸前だった。