『普通って……嘘つくなよ。今めちゃくちゃダルイっしょ、ルイ達のせいで。俺も何度も注意してるんだけどさ…。あいつら変な噂立てたり…やり方汚いんだよなぁほんと』


『どーでもいいよ』



気付けば、あたしはポツリとそうこぼしていた。



『アン?』


『あ……ごめん。あたしは全然大丈夫だよ。一緒に仕事する人達なだけで、別に友達でもないしさ。お客さんもたくさん切れちゃったけど…また作ればいいだけだしね』


『アンのそういう前向きなとこ、すげー好き。でもしんどくなったり疲れた時は俺に何でも言ってこいよ。光輝は今ナンバー争いに必死だしな。まぁ何もできねーかもしんないけど、力になれることならなるし』




勇二くんは、いつも優しかった。



光輝にグチをこぼせないあたしに、気を使ってよくそう言ってくれてた。



だから…

あたしはたまに、勇二くんに愚痴を聞いてもらうようになっていったんだ。