「お前かよ……なにあせってんだ。何、テストとか終わった?」 玄関のドアを開け放して宮下が持っていたタオルを寄越した。 「どうした、いつになく丈の短い制服とか着ちゃって、なんかあったのか」 「どーもしねーよ。いま自分のは兄貴が繕ってくれてる。」 宮下は学校関連のものはほとんど「とか」とつける。 あまり熱心に通う生徒でもない。 登校したらしたで、ぼーっとしているか、机にしがみついて眠っている。 進学の意志はないらしい。