「帰ろっかな…」


そのときに翼くんの顔が
赤いことに、気付かなかった



「あたしも…、帰ろ」


翼くんとは帰れない…よね
ちょっとだけ期待するあたしに
本当に馬鹿だって、思う



先に歩く翼くんを追いながら
あたしは背中を見つめた



細い、よね…
背中だけみてもすっごく細い




「來実先輩…」