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「じゃあ高山、お前も席に着きなさい。席はー…とあそこにしよう。窓際の一番後の一個前」
「はい」
言われた通り、琉生の隣に位置する席へと向かう紗耶香ちゃん。
あ、やっぱり歩く姿勢も綺麗……
―――パタン…
ん?
現状を報告すると、私の隣を通過しようとした時、唐突に音もなく倒れました。
あれ?私なんかしたっけ?
っと、一応声をかけなきゃ。
「大丈夫?」
……
私の問いかけから何秒か経過した後、ようやくバッと顔を上げた。
「すみません…。転んじゃいました…」
…流石に皆沈黙だ。
何も落ちてないし、私も足かけなんてしてない。
…そう、
彼女は重度のドジっこだった。