***



「紗耶香ちゃん?」
「紗耶香ちゃんって誰の事言ってんだろ…」
「あいつ今の自己紹介聞いてたのか?」
「頭おかしーんじゃない?」





……やってしまった。



うわ、やっちゃったよ、馬鹿私。馬鹿佑耶。阿呆佑耶~!

皆の視線が痛いんですけど。
これじゃ私危ない子じゃん!


「…?取り敢えず席に着きなさい、黒木」

「………はい」

おとなしく、ストンと席に着く。

周りのクスクスという嘲笑に、顔が熱くなる。

…恥ずかしい。



……って待てよ?

琉生は今どんな顔を…。

2つ斜め後ろの席を見てみると…


うわ、案の定。


紗耶香ちゃん…じゃなかった、千里ちゃんを茫然とした表情で凝視している。

と、そこで私の視線に気付いたらしく、こちらとバッチリ目が合う。

ん?何て?


『紗耶香ちゃん\(^o^)/ktkr』


ええ、口ぱくでもしっかり伝わってきましたとも。





……冗談じゃないですよ。

何この展開?

いや、なにもおいしくないよね?

いらない、いらないよこんなサプライズイベント。



……っああ゛ー―――!!
もう!!