「よっと」

立ち上がり、首を横に動かす。

「よう」

軽く挨拶しているが、殺意のオーラがひしひしと肌に伝わる。

「あんなのと、闘うのか?」

「大丈夫大丈夫。武器の使用は禁止だし、目潰し、金的も禁止、後は自由ってなルールもあるからさ」

洋子は何も問題ないかのように俺を安心させる。

「何をもって終了なんだよ?」

「三分間の戦いだ。そこでポイントを見る」

誰か、嘘だと言ってくれ。

親父は歳を取ったからといって、衰えていない。

まだまだ現役だぞ。

「あんたが、ポイントを見るの?」

「私じゃ蛍を贔屓するからな」

はっきり言うなよ。

「この人だ」

エレベーターが到着した後で出てきたのは、腕の裾が破けた学生服の乾雲丸であった。

「OH!熱き血を滾らせる君のHEARTは今にも爆発しそうだ!」

いつもながらに元気だな。

「解った。とにかく、三分だな」

「ああ、お前が三分立てたら、お姉さんがいい事してあげるよ」

「そりゃあ、頑張らないとな」

肩を回したり、屈伸をしたりと、少し体をほぐす。

「まさか、あんたと戦う事になるとはな」

「お前さん、千鶴とはどこまでいったんだ?」

「さあな」

「ち、Fまでいったか」

「何だよ、Fって」

「お前さん自身で考えるんだな」

親父はやる気満々のようだ。