いつ入ってきてもいいように、俺は椅子の陰に隠れておく。

正々堂々、正面から一人で突っ込むのは死を意味するだろう。

入ってきたのは、人間達。

見たこともない軍服を着用している。

どこかしら、退魔師とテンプルナイツの面影が残っているようだ。

全員が銃剣を装備しているようだ。

『彼等は契約者』

ロベリアは相手の中を読み取ったのか。

「マジか」

これだけ多くの契約者がいるとすれば、一時撤退も頷ける。

一応、確認しておくが、契約妖魔という概念はラインが生み出した物である。

ラインの情報は敵側にあるという事。

ちょっと待て。

情報はテンプルナイツの中だけにあったわけではないのか。

これだけの人間達が手術を受けたというのか。

何故、これだけの人間がチューナーとして存在している?

何故、これだけの妖魔達が契約妖魔として存在している?

テンプルナイツはどうなった?

退魔師はどうなった?

妖魔達はどうやって調達された?

「くそ」

余計な考えは捨てろ。

子供たちを守る事だけを考えろ。

今は殺らなければ、殺られるという事だ。

「ロベリア、光源最大」