「文之さんとは付き合ってません。
お客さんですし。」


葵はママの目をしっかりと見つめ強く告げた。


「あら、そうなの。
なら安心した。気を悪くしないでね。
葵ちゃんは私からすれば娘のような存在っていうか、ほっとけないっていうか…。
とにかく心配してたの。」


「そうですか。心配させてしまってすみませんでした。
でもママが心配するようなことは何もないので。」


そう言うと葵はカウンターの席を立った。