―深夜二時―

最後のお客をスタッフ全員で見送った。

月末の金曜日はやはり忙しくなる。

「はい、これ今日の分ね。お疲れさま。」

「ありがとうございます。お疲れさまでした。」

葵はママから日当を受け取り、出口に向かう。


「葵ちゃん!」


ミキが葵を呼び止めた。


「えっ?なんですか?」葵は慌てて振り返った。


「今度店が早く終わったらゴハン行かない?葵ちゃんと話したいこともたくさんあるし。」


「はい、分かりました。あっ、ママ。私もママに話したいことがあるんです。」