「じゃあ~ん!これ見て見て~」


文之が満面の笑みで葵に見せたものは銀行で作ったと思われる通帳だった。


「それがどうかした?」


きょとんとした丸い目の葵。


「これはね、葵たん預金!近い将来二人の愛の巣を買うんだ~
どう?いいでしょ。」


「うそ。すごいね。ありがとう…。嬉しいよ。なんていうか…びっくりしちゃった。」


そんな葵を文之は優しく抱きしめた。


永遠ではないこの期限付きの関係に溺れる自分をもはや葵は止めることは出来なくなっていた。