葵の身体はビクリとなり顔は真っ赤になってしまった。

うつ向き加減に葵は、
「文ちゃんはさ、その・・、あたしのことが好きなの?」

葵はこれだけを伝えるのが精一杯だった。


やはり身体は正直だった。

防御体制が働いたのだろうか。身体が異常な強ばりをしている。


「好きだよ。初めて会った夜からずっと大好きだよ。俺のものにしたい。」


「でも、私全然相応しくないし・・。」


言いたかったのはそんな言葉じゃなかった。

どうして?奥さんは?
子供は?まだ小さいって言ってたよね。

こんなことしていいの?

左手の薬指のその指輪・・