部屋に入るとタバコの煙を無理矢理掻き消すべく撒かれた消臭剤の強い香りが入ってきた。

割りと広いそのベッドには綺麗にシーツが挽かれている。

全体的に薄暗いピンクのような紫のような照明はムードを高めるためのものだろうか。

文之はゆっくりと中央のソファに腰掛けた。
葵は部屋中をキョロキョロと見渡すばかりであった。



「葵たん、何唄う?」

「えっ?歌?」

葵は驚いた声を出す。

そんな葵に文之は近づき、葵のオデコにそっとキスをした。