「おっと、もう葵ちゃん行かなくちゃね?
お店八時からだもんね?」

文之は腕時計に目をやり葵に慌てて話しかける。

「そうですね。ごめんなさい。お店まで送ってもらえます?」

「いやいや~もちろん。俺も一緒に行くから大丈夫だよ。」

「え?一緒に・・?」

「葵ちゃん、聞いてない?こういうの同伴っていうんだよ。
ママにもきちんと話してあるから多少遅れても大丈夫だよ。」

葵は少しだけ恥ずかくなりうつむいた。

大人ぶって平然を装った自分だったが結局道理を何も知らないままこうして此処に居たことを恥じた。

「じゃあ、行こうか?」

「ご馳走様です。どうもすみません。」