日当を抱え、今日も駅まで全力で・・。

走ったりはしない。

タクシーの中で葵はとてもゆったりとした心持ちでいた。

自分が必要とされている喜びが葵を包んでいた。

ママに必要とされる喜び。

客の視線を浴びる優越感。

そして何より大きな何かをやり遂げたような達成感。

こんな素敵な夜が続く中で葵は永遠に生きてもいいとさえ感じた。
ー人生何が訪れるか分からないー

本当にその通りだ。