お店のない夜は逆に落ち着かない。束の間の自由を持て余している葵がいる。

何をしていいと言われると逆に何もできないところが昔から葵にはあった。

小さな頃、「誕生日は好きなものを何でも買ってあげるよ。何がいい?」
と母に聞かれた時、逆に何を選ぶことも出来ずに困惑したことを思い出す。

葵には縛られた時間の中で与えられた任務をこなしているほうが、やはり向いているのかもしれない。