こんな時、恋人だったらキスの一つくらい頬にしてあげるのだろうか。もっと甘えた声を出すのだろうか。


葵は隣りの阿倍をちらりと見た。

何も変わらない阿倍の姿、顔つきがある。

葵の中の弱い部分が葵自身を強く苦しめていた。

(私、このままで大丈夫かな・・)心の中の弱った感情が呟いた。