強い光が葵の眠りを妨げる。

朝の光が嫌いだ。目を開けることを酷く拒んだ。

枕元の小さな時計は既に7時を回っている。

とっさに阿倍の顔が浮かんだ

慌てて携帯を手にする。

「あのさ、会社まで送ってほしいんだ。あと朝ゴハンも適当に買っておいてくれる?」

枯れた声で一方的にそう伝えると葵は起き上がった。