明るいはずの未来は,実に簡単に潰されてしまったように感じていた。


トレンディドラマに出てくるような、感じの良いオフィスなど現実には存在しないのではないか。


しかしお店のように辞める訳にはいかない。

(強くならなくては。)

葵は何度も心の中で呟いた。


定時のチャイムが鳴る。


葵は再び藤木のデスクに向かう。


「あのう、藤木さん、そろそろあがっても良いでしょうか…?」