「木本さんはこのデスクを使ってね。

あとね、入社して三ヶ月間はお世話係がつくことになってるの。

あの席に座ってる…」

と指を指された先には黒髪の細身の女性が座っている。


目があったような気がしたが、すっかりそらされてしまった。


「藤木さんっていってちょっと難しい人だから、礼儀正しく、良く言うこと聞いてね。」


「はい…。」


ならばと、葵は席を立ち、藤木のデスクに向かった。


「今日からお世話になります。

宜しくお願いします。」

葵は笑顔を振り撒いた。