翌日から葵は早速朝のラッシュに苦しめられていた。


(こんなんじゃつぶされちゃう…!!)


満員電車に揺られること小一時間。

身動きの取れない狭い空間。

もわっとした湿ったような空気。

会社に着く頃にはすっかり疲れ果ててしまっていた。


「今日からお世話になります。木本葵です。
宜しくお願いします。」

配属された課での朝礼で葵は挨拶をした。


最初から期待はしていなかったが、思っていた以上にそこは活気のない空間だった。