「それじゃ葵の明るいはずの未来に乾杯~!」

「何それ~ひど~い。」

文之の笑顔、久しぶりだった。


(やっぱりあたしにはこの笑顔しかない。)


葵は改めて確信していた。


「あとさ、少し前に言ってた、二人の愛の巣のことなんだけど…。」

文之が切り出す。


「愛の巣~!?
何それ、文ちゃん笑わせないでよ~」


「酷いなぁ~葵たんっ!話したでしょ。ほら、これこれ~」


と通帳を取り出した。


「あっ,これ…。」