―二年半後―

場末のキャバレー


クルクルと回る七色のネオンボールのその下に葵は居た。

カチャカチャと携帯のメールを打つ葵。

店長がチラリと葵を見た。

「葵さん、今日は誰か呼べそう?阿倍さんは?最近あの人顔見せないじゃない。ケンカでもしたの?」

「何もないよ。阿倍さん最近忙しいみたいで。じゃあこの前来てた文くんって子は?」


「あの人は気分屋だから。

それに携帯繋がらなくてさ・・・。」

はぁっとため息をつき店長はブースに戻る。

葵の携帯のメールを打つその手が止まった。