「…あんたはまだまだ見たくない?」

「え?」

「まだまだ‥祐ちゃんが上にあがっていく姿を……見たくないかしら?」


「・・・・」


華ちゃんにそう言われた瞬間‥祐輔の黒いスーツ姿が浮かんだ。
そして…


「…祐ちゃんはまだまだ上にいける。レオなんかにやられたまんまで負けるわけないじゃない…私そう信じてるわ・・」


少し涙目で言う華ちゃん。

私はこの華ちゃんの表情と、今話してくれた話を一生忘れない・・・





「…華ちゃん、ありがとう」

「え?ちょ、ちょっとノン子!どこ行くの!!?」


私は残りのおにぎりを目一杯口に詰め込み、事務所を飛び出した。



華ちゃんの話を聞いて…なんだかスッキリしてる・・

そうだよね!レオくんなんかに、やられたまんまで祐輔がいるわけないじゃん…


それに・・・私、ひらめいちゃったんだ…






私はなぜかわくわくしながら走っていた。

こんな気持ちは…初めてだった。

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