「…でも・・祐ちゃんが代表になった頃だったかしら?祐ちゃんはだんだん変わっていったわ。店の代表として、みんなの憧れとして‥自覚が芽生えたのかもしれないわね…」


華ちゃんは、懐かしむような口調で言った。




「まぁ、あとから聞いたら…その頃にお婆ちゃんの借金も終わったららしいから、祐ちゃんとしてはタイミングがよかったのかも。それから祐ちゃんは一生懸命仕事をこなして、立派に大人になっていった…」


…そうだったんだ・・私、全然知らなかったな・・・



「私はね、今でも…あの、祐ちゃんがうちの店に来た・・あの日を忘れられないの……」

「・・・どうして?」

「あの……わくわくするような感覚が・・今でもハッキリ覚えているのよね。わかっているだろうけど、私は女より男が好きよ?もちろん祐ちゃんとつき合えるなら付き合いたいけど……」


華ちゃんが口をとがらせる。



「…でも、ホストとしての祐ちゃんは・・本当にすごいと思う。ホストクラブのキッチンで働いているくらいだし…今となっちゃホストなんて行かないけど、祐ちゃんにはいまだに接客してほしいもの。もちろんお金を払ってまでもね♪」


ウィンクする華ちゃん。

華ちゃんの言っている意味は、なんとなくわかる…。
きっと数々とお客さんが、華ちゃんと同じことを思っていると思う。

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