「私…今まで水商売しかしたことなかったから、最初は仕事ができなくてね・・当時いたキッチン担当にはよく怒られたものだわ(汗)」


華ちゃんが怒られる……?想像できないんですけど(汗)



「当時のこの店は、今ほど人気も知名度なかったわ。ホストの数はいても、才能のある子はいなかったのよね…でも・・」


灰皿にトンと、タバコの灰を落とす華ちゃん。




「ある時、うちの店のドアを叩いたのが祐ちゃん…。当時祐ちゃんはまだ19歳とか20歳だったかな?才能に満ち溢れて、期待にあふれた存在だったわ…」

「そんなに!?」

「ええ…素人の私でもわかるくらい・・スックスといい、接客といい…ホスト界では100年に一度の天才とまで言われたのよ!」


す、すごっ!!!祐輔ってそんなにすごい存在だったんだ!




「でも、当時の祐ちゃんは…今よりとがっていたけどね。なんでも…自分のお婆ちゃんの借金を肩代わりして、お金に困ってホスト界に入ったらしいから・・」

「―――!」


借金!?

お婆ちゃんの存在は、前にチラッと聞いたことあったけど……借金の話は初耳だな。




「だからかしらね…当時の祐ちゃんは、“金金金”って感じで……決して心もイケメンではなかったわ。地位も名誉も手に入れて、驕っている感じもしたしね」

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