私は華ちゃんに笑顔を返し、「いただきます」と小さな声で言うと、おにぎりを一口食べた。


……そういえば、今日はまだなにも食べてなかったんだっけ‥

祐輔も…まだなにも食べてないよね・・・



さっきの祐輔の顔が思い浮かぶ‥




「‥私ももうここに来て10年かぁ〜」

「え・・?」


いきなり何かを話始める華ちゃん。



「いやね…ちょっと色々思い出しちゃってさ・・昔のこととか…」

「…昔のこと?」

「うん。祐ちゃんが、このお店に来た日のこととかね‥」


‥祐輔が??



「知りたい!教えてっ」


私が身を乗り出してそう言うと、華ちゃんはタバコに火をつけたあとゆっくりと話し始めた。




「10年前‥私はまだ新宿2丁目で好き勝手やってた頃、もうそろ落ち着かなくちゃって思って時にね…たまたま知り合いだった今のうちのオーナーに拾ってもらったのよ‥」

「へぇ…」


オーナーと華ちゃんが知り合いかぁ…ちょっと意外だな。

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