「う…ううん、なんでもない…どうぞあがって‥」


私がそう言うと、華ちゃんははしゃぎながら家の中へ入って行く。

レオくんは「お邪魔しまーす!」と言いながら、玄関で靴を脱いでいた。



私はビクビクしながらも、レオくんと目を合わさないようリビングに行こうとした。

その時…



「………きゃ!」


いきなりレオくんが私の手を掴む。

そして、私を見下ろしボソッとつぶやいた。




「…やっぱり・・メールシカトしてたんだね……」

「……――!」


そう言ってクスクスと笑い、私の手をゆっくりと離すと、レオくんはリビングの方へ行ってしまった。




やっぱり・・あの人おかしいよ……


私はこぼれそうになる涙を必死にこらえる。

だけど、ギュッと拳を握りしめ、私は華ちゃんとレオくんがいるリビングへ向かった。

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