中村を探せば、中村も俺を探していたのか大きく手を振っている。




急ぎ足で行けば、子供達は先に食べていて中村は俺の定食も準備してくれて待っていた。





「悪いな。」


「いいんすよ。俺達も食べましょう。」





席に着き、食べ始めた時だった。




「にんじんきやーい。」





お子様ランチを食べていた鈴がにんじんを避けている。





「にんじん食べないとままに会えないんだよ。」


「やだーっ。ゔー……。ままにだっこしゅゆのー。」


「じゃあ、食べようね。」





紗衣に言われしぶしぶ、まぁベソかきながら食べる鈴。





その後もあれこれ嫌いと言っていたが、そのたびにままに会えないと言われ残さず完食する事が出来た。





本当は父親の俺が言うべきなんだろうけど、微笑ましくて笑って見ていた。