ここに来るまで、章菜とお義父さんはどんな話をするんだろうか。




産まれた時の事、小さい時の事、家族旅行の事、仕事の事………何も話さず一歩一歩を踏み締めながら歩いてくるかもしれない。





祭壇の前に立つ俺の緊張は尋常な物じゃない。





一分が物凄く長く感じて、本当に章菜は来てくれるのかと心配になってくる。





音楽が鳴り始め、両開きの扉がゆっくりと開かれる。





眩い光と共に章菜が表れる。





光の効果かキラキラと光るベール、ウェディングドレス。





お義父さんの手から章菜の手を取る。





誓いの言葉、誓いのキス………一生忘れる事のない思い出。





振り向けばみんなが注目していて、お袋なんか柚月と手を取り合って小さくキャーキャー言ってる。