会社に着き、子供達を連れて社長室に向かう。





3年前に社内に託児所を作り、社員の子供や鈴が産まれてからは預ける事にした。





女性社員からは助かるとの声を聞き、もう少し早く設置すればと後悔した。





｢ぱぱはちょっと仕事があるから、2人で遊んでてくれる?｣


｢はーい。｣


｢はぁい。｣





鈴が背中にからっていたリュックからぬいぐるみを次々出すのを確認し、デスクについて書類に目を通す。





スーツの内ポケットに入れていた携帯がブルブルと震えた。





章菜かと思い、急いで取り出したら母親からだった。





｢………もしもし。｣


『朔夜?電話に出るのが早かったわね。』


｢まぁ………何?｣


『章菜ちゃん、帰国するでしょ?今日の夜はみんなで食事しましょう。章菜ちゃんのご両親にも連絡したのよ。』