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背中に張り付いたTシャツの感覚が気持ち悪くて目が覚めた。


汗をかいていたらしい。



ベッドの横に置いてある携帯に手を伸ばし、デジタル表示の時刻を確認した。




(3時か…)




まだ外は暗いけど、二度寝をしたら学校に遅刻しそうだ。


そこまで考えて、今日が日曜日だったと思い出した。




(なんだぁ)




ふぅと長い息を吐き出し、抱き枕のキリンのぬいぐるみをぎゅっと抱きしめた。




(もっかい寝よ)




寝返りをうち、目を閉じて、さっきの夢のことを考えた。




(…花咲文具店)





──ビー玉を買って持ち歩いていると、好きな人と両想いになれるんだって──





なんだって私は、あんなに必死にビー玉を探していたんだろう。



千尋の影響かな、と一人苦笑いする。



興味がないと言いながらも、知らないうちに感化されていたのかもしれない。




気が付かないうちに眠ってしまった私は、結局昼過ぎまで寝てしまい、母親に怒られたのだった。



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