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ずしり。



頭に何か重たくて柔らかいものが乗っかり、短い悲鳴をあげる。




「ガタガタ煩ぇな」



「ひっ」




猫が。


さっきの猫が、私の頭の上にしがみついていた。




「な、な、な!」



「おい。お前さっきウチの店に来ただろう」



「みっ、店!?」



「花咲文具店」




べしっとおでこを前足で叩かれる。


地味に痛い。




「お前とちゃんと面接がしたい。ツクモがそう言ってるんだ。引き受けてくれるよな?」




両腕を上へ伸ばし、毛皮の塊をそっと掴んで頭からおろす。




「あなた、あの店のお使いなの?」



「そうだ」




猫と会話なんて馬鹿馬鹿しいが、今となってはどうでも良かった。



恋占いのビー玉


笑顔の怖い店員


喋る猫





花咲文具店。



今更ながら、自分は厄介なものに絡まれてしまったらしい。



深緑色の猫の瞳を眺めながら、私は顔をひきつらせたのだった。



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