その日の華の湯はアイチの話題で持ち切りだった。
「駆も駆だけどさ、愛生も愛生だよ。他の女の子と2人で出かけるのを許す彼女がどこにいるの?」
チェリーがそう言うと、アイチは手を上げて、「ここにいま~す」なんて余裕の表情。
一体、どこからそんな安心感が生み出されてくるんだ。
「あたしも大丈夫だと思うぜ」
ゴポゴポと音を立てるジャグジーに入っていたシーやんがそう言う。
チェリーがシーやんを見ると、彼女は目をつむってジャグジーを満喫しながら続けた。
「だって多部ちゃんは愛生のこと、マジリスペクトしてんだぜ?駆のことなんて眼中にねーよ」
それでもチェリーは不安の色を消さない。
「そうだけどさ、まさかってことがあるじゃん」
そんなチェリーにアイチは余裕の笑みを見せた。
「大丈夫、大丈夫。多部ちゃんはあたし一筋だからさ」
「そうだ!愛生先輩ラブだもんな!」
シーやんの声が一段と大きくお風呂場に響く。
そんなことで本当に大丈夫なんだろうか。