声のトーンが少し下がったアイチのお母さんの声。


思わずムッとしてしまう自分がいた。


アイチは人を恨んだりしない。


アイチの母親のくせしてそんなこともわからないの?


あたしは強い口調で言った。


「恨んでませんでしたよ。アイチは人を恨むような子じゃないですから」


そして、伝えた。


「アイチは、お母さんの幸せを願ってました、1番に」


どんなに嫌がらせをされても、ただ1番に。


「嘘…」


そう一言呟くと、アイチのお母さんはその場に座り込んで泣き出した。


けれど、もう遅い。


もう遅い。