そんなチェリーの横に座る駆は前髪を指先でつまむ。


そしてその隣の隣に座るあたしはアイスティーをすする。


「何だよ!人がせっかくアドバイスしてやってんのに!」


とっておきのアドバイスをみんなに流されたシーやんは大声でそう言う。


そう言うけれど、誰もツッコミを入れない。


彼女はいつもこんな役回りだ。



誰もツッコミを入れなかったし、話題を変えたりもしなかった。


その場にはすぐに静かな空気が広がっていく。


千津ちゃんからの伝言を切り出すタイミングはもう今しかないような気がしていた。


いや、本当は切り出すタイミングなんかじゃないのかもしれない。


けれど、今のあたしにはここを逃したらもうタイミングがなくなってしまうような気がしてならなかった。


「あのさぁ」


みんなの視線がこっちに集まったのがわかって、あたしは早口で言った。


「アイチの一周忌の日にち、決まったって」


「え?いついつ?」


みんなの態度はいつもと何も変わらなかった。


カバンからスケジュール帳を出したり、ポケットからケータイを出したりして、あたしの次の言葉を待つ。