風で長い髪の毛がなびく。

空は青くてこんな都会でも
こんなきれいな空が
あるんだなぁって。

いつもの指定席から
見る空はどことなく
安心さしてくれるんだ。

ってあれ?
あたしの指定席に誰かいる。


智『あ。』

翔『あ!
おんなじクラスの…』

智『夏川です』

翔『そうそう!夏川さん。
名前なんてゆーの?』

智『智美。』

翔『智美ちゃんかぁ。
となり座りなよ♪』

智『うん。
てかそこあたしの
指定席なんですけど。』

翔『そーなんだ。
ここ気持ちいよね』

智『櫻井くん転校生初日から
サボりですか。』

翔『翔でいいよ。
なんか……
疲れたんだぁ』

智『何が?』

翔『俺昔から親が
すっげー厳しくて
毎日勉強。
俺もぉ真面目くんには
うんざりなんだ…。』

智『…』

翔『智美ちゃん?』

智『zzZ』

翔(寝てんのかよ)

智『zzZぅん かずぅ』

翔『かず?寝言かぁ。
それにしても寝顔…///』

――翔side――
智美ちゃん。
このクラスに入ったときから
気になってた。
ほんと可愛い。
一目惚れってやつ?

俺は勉強が得意だ。
けど嫌いだ。
だからサボりに来た。
そしたらまさかの
あの子が来た。
そう智美ちゃん。
空を見上げる
智美ちゃんの顔
風になびく
スカートと髪の毛。
全てがいとおしくなってきた。

本気で好きみたい。

隣に来てしゃがみこむ。
風でなびいた髪の香りが
俺を包む。