目の前を光が走って、その瞬間私は誰かに強く引っ張られた。
「おい、大丈夫か!?」
誰かの声が私の中に響く。
「洋子、洋子!」
そして私は目を覚ました。
「!」
…夢……
ベッドの脇にシイがしゃがみこんでいた。
「ひどくうなされてたみたいだけど…大丈夫なのか?」
「うん…」
……あれ?
「うわーっ!なんでシイがここにいるの?!?」
「なんでって…うなり声が聞こえたから…」
「勝手に入ってこないでよー!シイの部屋は隣でしょ!」
「ごめんごめん。…てかさ…」
「なに?」
「時間…」
シイが時計を指差す。
「あーーっ!」
6時すぎ?!
やばい!
学校遅刻しちゃう!
「とにかく着替えなきゃ!ほら、シイ!着替えるから出てって!」
私はシイの背中を押して部屋の外に出した。