2007年-春-


ザァッ―――



「楓おはよっ♪」
「…………」
「…?ふ-ぅ!!!」
「え…………」
「ちょっと楓!どうしたの!?」
「なにが?」
「はぁ……」
「???」

沢原 楓
県内で1番の進学校に通う。高校1年生にして3年生の問題も解ける。
“楓”と書いて“ふう”と読むのでよく名前を間違えられる。進路は大学希望。

「おはよ☆睦華」
「たっく…楓おはよう!」

市川 睦華
高校1年生。楓とは中学から仲がいい。

「あ。慎之介君来たよ?」
「ふんっ(¬з¬)知らないそんな人」
「何?また喧嘩したの?」
「ん-ん!!別れたの」
「えぇぇぇ!!?」

嵐山 慎之介
高校1年生。睦華と付き合っていたが昨日別れた。

「あ…こっち見てるよ?睦華」
「知らないから!!!」
「来たけど…(汗)」
「あ…あたし…トイレ行ってくる!!」
「うんっ…」

すたすたすた…

「沢原さんおはよう♪」
「嵐山、あんた睦華に何した訳!!?」
「別に何もしてねぇケド??」
「じゃあなんで…!!」

グイッ!!

「ちょっ…!?」
「いいから来いよ!」
「はぁっ??」

ガラッ…

「嵐山!どこ行く気!?」
「人がいないとこ!」
「意味わかんない…」
「あれ…え!?ちょっと!!楓!」
「あっ!!睦華…嵐山止まって」



「睦華…大丈夫?」
「……んでよ」
「え?」

ポロッ…ポロポロ…

『睦華、泣いてる…』
「なんで慎之介と手繋いでんの!!?」
「それは嵐山が…」
「ちょっと“市川さん”!俺の名前、呼び捨てしないでくれる?」
「グスッ……“嵐山”のバカ!!」

ダッ……