「どうしたんや、夏!この子、どないしたん?」

意識のない千歳を見て、美代は動かない。

だが夏は、急いで水を持ってきた。

「たぶん、腹減っとるんやと思う。やから、早うご飯作ってあげな…」

夏が、本気で心配そうにするので美代はご飯を作り始めた。

そして、しばらく経ちご飯を食べさせると、千歳は目を覚ました。

「…ここは?」

千歳は体を起こした。

頭がズキッと痛む。

「あぁ!起きたらいけまへん!まだ寝とってください!」

夏が言うと、再び千歳は横になった。

「そなたは…?」

千歳は、夏を不思議そうに見つめる。