翌朝。

「じゃあ、夏。俺は釣りに行ってくる。昼には帰って来る」

千歳は、釣り竿を持って夏に言った。

「気ぃつけてな?ちゃんと、昼までには帰って来るんよ!」

夏が手を振る。

千歳は、クスッと笑って海に出た。


「あんまり釣れないなぁ…。これじゃあ、駄目だ」

空を見ると、もう昼近く。

そろそろ帰らなければならない。

「明日も釣りに来ればいいか。夏も待ってる。帰ろう」

釣り竿をしまって、船を漕いだ。

そして、陸についた時。

千歳は固まった。

何もかも、信じられない。

遊んでいた子どもたち。

仕事をしていた男たち。