「私、本気で好きなんだよね染谷のこと。」

「はぁ…」

「邪魔しないでよ。」

「…。」

邪魔って…。

私だって染谷先生のこと好きだもん

「ってか、最近さ朝絶対一緒に登校してくる姿見ると腹立つんだよね」

「…」

なんか、声が怖いよー…

「だから、とりま殴らせて?」

そういい終わるか終わらないかというところで

ゆみという人は私の頬を叩いた。

そして、次にお腹を蹴ったり殴ったり。

一通り終わったと思われる頃、近くで足音が聞えてきた。

「ッチ、邪魔入りそうだから行くよ」

私は動きたくても動けない体を壁に寄りかかり、涙が出そうなのを押さえた。

どうして単に好きなのに恨まれるんだろう…。

自分の口の中は鉄のような味がして気持ち悪かった。

と、同時に口の端から血が溢れ出してることにも気づいた。

携帯持ってくればよかったと後悔している。

みか、心配してるだろうな…。

ってか今何時だろ?

「かとうー!」

どこからか声がする。

それは、聞き間違えることのない愛しい声。

でも、聞きたくなかった声。

探してくれてるのかな??

ここにいるのを見つけてくれるかな??

薄れる意識の中、

はっきり聞えた先生の声。

本当に、先生が好きなんだよ?

「加藤!!お前、どうした?!」

「…せんせ…。」

私はそっと意識を手放した。