病院に着いた私と先生

中に入ると夕方だからか人は案外少なめ

受け付けを済ませ待合室のソファーに2人で座った

遠く感じていた先生が

今、右にいるなんて信じられない

「なぁ、加藤?」

「ん??なに?」

「お前ってさ、学校で…
その…モテんの?」

「私が??
ないない。モテないよ~」

先生が何を伝えたいのか曖昧で

私は返事をするのに困ってしまった

「男子が言ってたぞ~
加藤が可愛いって」

決して私と瞳を合わせない先生

「好きな人に振り向いてもらえないなら…
どんなに周りから振り回されていたって意味ないよ」

ポツリと私が呟く

「そうだな~…
って!!お前好きな人いたんだ??」

「いたよ~
先生が知ってる人だもん」

「ってことは学校関係…??」

「さぁ?」

「可愛くないやつ~」

「いいも~んだ」

「加藤さん、加藤ふみかさ~ん」

「よし、診察してもらうか」