陸のとこ……行っちゃダメか……。


「うん……わかった」


仕方なくという感じで、返事をする。



明日の朝、大学に行く前に行ってみよう。

だけど、その考えは……なくなった。

















「では、今から……今回の依頼主。滝本陸くんの家に行きなさい」









じいちゃんの衝撃の一言で。







「え? 今なんて?」





聞き間違いだと思って、もう一度聞き返す。








「杏樹、陸くんの家に行くのじゃ。なんでも、様子がおかしいらしい」







じいちゃんの言葉も、半分聞いていたか。

あたしはケータイを握りしめたまま、走っていた。

陸の家へと向かって……。